苦難福門②
これがはっきりとわかれば、もう苦難を恐れきらうことがなくなる。いや、よろこんで苦難に立ち向う。にっこり笑ってこれに取りくむ。そして苦難の原因になっている生活のあやまり、本意の不自然さを取り去ると、かつ然として幸福の天地が開けて来る。苦難の黒幕がひらかれた時、その奥には、明るい幸福の舞台が用意されているのである。
「門を叩け、さらば開かれん。」(「マタイ伝」七ノ七)
「狭き門より入れ。滅にいたる門は大きく、その路は広く、之より入る者多し。生命にいたる門は狭く、その路は細く、之を見出すもの少なし。」(「マタイ伝」七ノ一三~一四)
命に生きぬくその門は、狭い、入りにくい、又苦しい、痛い、みにくい。それがひどければひどいだけ、しっかりと足をふみしめて、門のとびらを強くおし開こう。
にっこり笑って、エイと一声-かけ声勇ましく、かたい扉をおし開こう。その奥には光明、歓喜の世界がまっている。
苦難は幸福に入る狭い門である。