十 働きは最上の喜び

勤労歓喜①

人はただ生きているだけでは、何の意味もない。働いてはじめて生きがいがある。働いている時が、ほんとうに生きている時である。何もせずに、ぼんやり過ごした一日は、死んだ一日である。

じっとしていなければならぬほど、困ったことはない。仕事のない時ほど、つまらぬことはない。職を止めると、間もなく死んでしまう人の多いのは、仕事がなくなると同時に、気がぬけてしまうからである。

そして働く人は健康であり、働く人は長命である。世の人は、身体が悪いから働けない、というように考えているが、それは反対である。働かないから―こわごわと恐れたり、いやいやながらなまけたり―働く心にならぬから、体が弱々しいのである。病気になってからでも、出来る仕事を心配なく働きつづけていたら、それ以上悪くならないばかりでなく、次第によくなってくるものである。実はほんとうの働きの意味を知って働きはじめると、たいていの病気が直ってしまうのは、ここに幾百千の体験が証明している。

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