第二 万人幸福の栞 一 今日は最良の一日、今は無二の好機 ①

日比好日

今日はまたとめぐって来ない。昨日は過ぎ去った今日であり、明日は近づく今日である。今日の外に人生はない。人の一生は、今日の連続である。

昨日を悔い、明日を憂える人がある。これは、今日の影法師にびくついている人。

今日一日、これは光明に輝き、希望にみちみちた、またなき良き日である。今日しなければ、何時その日が廻って来よう。今日をとりにがす人は、一生をとりにがす人である。

日の吉凶というような、迷信にかかわる人は気の毒である。宝がころげこんでも、今日は日が悪いと、これを見すてるであろうか。災悪がふりかかっても、今日は吉か凶かと、運勢歴をめくって、ぼつぼつそれを払いのけるであろうか。今日は一生に二日とない幸いの日、又すきがあればどんな危険が襲うかもしれない厄日である。黒にするか白にするか、それは己自信にある。九星早見にあるのではない。

一日は今の一秒の集積である。今を失う人は一日を失う人、そして一生を棒にふる人。「時は金なり」と言う。しかし、金はとりかえせる。時は再び来ない。

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