反始慎終② そうした中でも、最も大切な、わが命の根元は、両親である。この事に思い至れば、親を尊敬し、大切にし、日夜孝養をつくすのは、親がえらいからではない。世の中にただ一人の私の親であるからである。私の命の根元であり、む…
カテゴリー: 万人幸福の栞
十三 本を忘れず、末を乱さず
反始慎終① 枝葉のことには気をつけるが、何事につけても本を忘れがちである。初めは注意深くしっかりするが、終りは、どうにでもなれ、やぶれかぶれだ。これは世間にありがちなことである。スタートを切るそのとたんと、ゴールに入るそ…
十二 得るは捨つるにあり
捨我得全② こうした一生に二度と出会うことにない大窮地に陥った時こそ、度胸の見せところである。一切をなげうって、捨ててしまう。地位も、名誉も、財産も、生命も、このときどきどういう結果が生まれるであろうか。 まことに思いも…
十二 得るは捨つるにあり
捨我得全① 「気がついたらすぐする」ことが物事をしとげる秘訣である。又大切なことは、十分に研究調査し、準備を完全にして、時がきたと思えば、一気かせいにやってやりぬく。おして押し通す。 しかし一度には出来ない事が多い。第一…
十一 物はこれを生かす人に集まる
万物生々④ 一方、欲がなければ金銭にめぐまれぬという事も、一応考えられる事である。なるほどごう欲な人は金をためる。しかし金の為に、その人は幸福になったか、苦しむ事はなかったか。人からの恨みによって不幸に陥らなかったか。世…
十一 物はこれを生かす人に集まる
万物生々③ しかし人の働きは、金銭によってねうちをつけられるようなものではない。又働きの時間や分量によって、いくらいくらと計算されるようなものでもない。働く人の心―喜んでいるか、いやいやながら時間をつぶしているか、まこと…
十一 物はこれを生かす人に集まる
万物生々② しかしこうしたことは、金銭を大切にするほんの一面で、本当に大切にすることは、むだに使わぬことであり、さらに金銭を生かして使うことであって、これがその頂上である。 物は、人と同じように生きている。人が徳の高い人…
十一 物はこれを生かす人に集まる
万物生々① 「物は生きている」と言ったら、半分は「そうだ」と言い、半分は「そうではない」と言うであろう。しかし物はすべて生きている。着物も、道具も、機械も、金銭も皆生きている。 大切につかえば、その持主のた…
十 働きは最上の喜び
勤労歓喜② 働きが一切であり、働きが人生である。働きが生命である。この働きには、そのままに、必ず「報酬」がついている。金銭でうける「報酬」は、多少があり、不公平があったりするかもしれぬが、この自然にして当然に受ける報酬は…
十 働きは最上の喜び
勤労歓喜① 人はただ生きているだけでは、何の意味もない。働いてはじめて生きがいがある。働いている時が、ほんとうに生きている時である。何もせずに、ぼんやり過ごした一日は、死んだ一日である。 じっとしていなければならぬほど、…