第二 万人幸福の栞 一 今日は最良の一日、今は無二の好機 ②

日比好日②

「気づいた時、気がるに、喜んでさっと処理する。」「気づくと同時に行う。」―lこれは成功の秘訣、健康の秘法である。ずぼら者、ぐずつく人、これは皆「今」をとりにがす人。光陰矢の如し。

「時は得がたくして失い易し。」(『史記』)

「宝の山に入りて手を空しくしてかえる。」(『正法念処経』)

「鉄は熱き中にこれを打て。」(ウェブスター)

気づいた時―それはその事を処理する最高のチャンスである。それをのばせば、次第に条件がわるくなる。事情の最も高潮に達した時、その波動が、人に脳に伝わって気がつくようになっている。これは、「気づくとすぐする」という、ほんの日常の、しかし絶対な生活倫理の実践によって証明せられる。

第一感を働かせよ。これは叡智である。あとで考えたのは墜落人間のばか智恵、気がついたら、髪の毛一本のすきま間もなく、ぐいとつかむ。ここに幸福の天地がまっている。

気がついても、いっこうに手を出さず、強情をつっぱって、なまけ心、心配性が面を出して、せっかくのチャンスを取りにがす。世の中には宝の山に入りながら、素手でぶらぶら引返す人が、どれだけあるであろうか。思い立つ日が最上吉日である。

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