明朗愛和①
一人の明朗な心境は、その人の肉体健康の元であり、家庭健康の中心であり、事業健康の根源である。うち沈んだ、暗い、よわよわしい心の持主は、きっと体が弱い。病弱の人が一人でもあると、その家庭は梅雨時のようにじめじめする。そうした家に住む人は心がにぶる。張りをなくし、気おくれする。決断力がにぶる。何をしてもうまくい行かないのが当然である。
明朗の心、一日も一分も曇らしてはならぬのは、人の心である。朝はほがらかに起き、昼はほがらかに働き、夜はほがらかに休む。昨日も明るく、今日も明るく、明日も明るい。家の中も、工場も役所も、電車も汽車も、朗らかに明るく、そして町が、国が、地上が、春のように朗らかに、秋のように明るく、健康に伸びる、実る、栄える。
真に正しい事とは、まず己が救われ、それと一しょに人が救われることでなくてはならぬ。明朗こそ、まず己が救われるともしびであり、己のかかげたこの燈火で、人もまた救われる。そして世の中が光明にかがやいて来る。
朗らかな人の心は、世のくもりを照らす光である。明朗は、万善のもとであり、健康の朝光である。